大阪とかで働くスタッツ厨

バスケットボールのスタッツとかが好きな人。 Run and gunが大好きなサンズファン。 懐古厨。

MIP in B-league ――EFFによる比較――

どうもaoiです。

さて突然ですが,問題です。

Kevin Johnson

Boris Diaw

Goran Dragić

以上3名の(元)SUNS選手に共通する事柄は何でしょう(除く,SUNS所属)。

Kevin Johnson

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Boris Diaw

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Goran Dragić

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.............正解はMIP受賞者ということです。

御存知の通り,MIPとはMost Improved player の略で日本語では「最も成長した選手 」と訳されることが多いかと思います。

NBAでは毎年スポーツライターらの投票により受賞者が決定します。

てっきりBリーグにも同様の賞が設けられていると思い込んでいたのですが,どうやら無いようです(Bリーグ表彰規定)。

 

そこで,誠に勝手ながら17-18シーズンのMIPを決めさせていただきたいと思います(唐突)。

選考基準ですが,シンプルに先日紹介した総合指数であるEFFの前年比伸び率のランキングとしたいと思います(詳しくはこちら)。PERではない理由は算出が面倒だからです。但し!Berriら(Berri, D.J., and Bradbury, J.C,2010)*1によるとEFFとPERは r = .99 ( p < .001 )というの相関があるとのことなので,順位で比較する分にはそれほど大きく結果が変わることはないと思います。

対象選手はBasketballnavi.DB から個人データを取得できかつ,16-17,17-18両シーズンのスタッツがあるB1所属の121選手です。ちなみに17-18シーズンでのB1平均EFFは9.4です。

それではランキングを見ていきましょう。

  • 第3位

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第3位は琉球ゴールデンキングス#24 田代直希選手です。

EFFは16-17シーズンでは3.7,17-18シーズンでは7.2と前年比93%の伸びを記録しました。 琉球2年目でチームへのフィッティングが向上したのか,あるいは佐々新監督に水があったのかもしれません。

  • 第2位

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第2位はサンロッカーズ渋谷#32 山内盛久選手です。

17-18シーズンに琉球からSR渋谷に移籍した山内選手が2位にランクインしました。

SR渋谷に移籍した後,プレイタイムが85%も増加したことでEFFも大きく伸びました。

  • 第1位

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第1位は富山グラウジーズ#24 大塚裕土選手です。

17-18シーズンにSR渋谷から富山グラウジーズに移籍してから,プレイタイムは10.9minから30.8minと183%増加しました。それに伴いEFFも1.8から6.9へとなんと275%の増加で2位以下と大きく差をつけて堂々の1位に輝きました。

また,HOOPS JAPAN BASKETBALL MEDIAさんが大塚選手について特集したページを発見しましたのでぜひご覧ください。にしても非常によくまとめられていてすごいです。

 

最後に対象選手のEFFの前年比伸び率を降順にまとめた表をお示ししておきます。

スコアリーダーにスポットライトが当たりがちなのは致し方ないかと思います。しかしながら,今回ご紹介したように「成長」という点に焦点を当てることで広い層の選手のモチベーション向上につながるのではないでしょうか。

B-リーグの皆様には,是非MIPの創設をお願いしたいです(笑)

それでは。

 

※MP=1試合平均プレイタイム(分)

 変化率=(17‐18/16‐17-1)×100

 赤いハイライトは上位10項目

MIP - Google スプレッドシート

 

*1: Berri, D.J., and Bradbury, J.C. : Working in the land of the metricians. Journal of Sport
Economics, 11(1) : 29‐47, 2010.