バスケット指標の世界3 ―― EFF,PERについて ――
お久しぶりです。
仕事の繁忙と怠惰によりましてブログ更新をしておりませんでしたが,また再開しようと思います。
さて今回はEFFとPERについての記事です。
目次
-
EFF,PERとは
この指標は,「選手の総合的な能力を評価する指標」です。
スコアラーやリバウンダーなどプレイスタイルやポジションの特性によって,各選手のスタッツには,得点が多い,リバウンドが多いなどばらつきが生じます。
そのため,同ポジションや,同じようなプレースタイルの選手同士では,スタッツ比較と解釈は容易ですが,異なるスタイルの選手同士の比較は難しいのが現状です。
全ての選手をスタイルやポジションの影響を出来るだけ均し,統一的に比較できる指標として考案されたのが,EFFとPERです。
ちなみに,EFFはEfficiencyの略で,直訳すると効率性を意味します。
PERは株価収益率…ではなくPlayer Efficiency Rating のアクロニムになっています。
-
どうやって計算するの
-
EFF
EFFの計算式は以下の通りです。(出典:NBA)
考え方としては非常にシンプルです。EFFは良いスタッツ(Points + Rebounds + Assists + Steals + Blocks)から,良くないスタッツ(FG失投数+FT失投数+TO)を引いたものです。
非常に分かりやすく,算出に必要な指標も少ないので,部活レベルのスタッツ収集環境では実用性が高いように思います。
-
PER
一方,近年のNBAではEFFを洗練化したPERが用いられることが多いです。
PERの計算式は以下の通りです。(出典:basketball-reference.com)
ここで,
また,
なお,
さらに,
はい,お疲れさまでした。
目がくらくらする計算式ですが,基本的なアイデアはEFFと同様で,いいスタッツから悪いスタッツを引いたものになっています。
EFFはあくまで,個人の能力を評価する指標ですが,当然チームの影響(チームの強さ,プレースタイル等)を受けます。そうした影響を除くためにuPER(調整前)にペース調整係数を掛けることでペースの影響を除きます。最後に,リーグ平均を15にする正準化を行いPERを算出しています。
-
問題点
EFFやPERも決して万能ではありません。これはスタッツ全般に言える話ですが,統計に表れない形でチームに貢献するプレイヤーも当然おり,そうしたプレイヤーを正当に評価することは,これら指標を用いても困難であると言わざるを得ません。プレイヤーの評価を定性的な評価のみに偏ることも問題ですが,定量的な評価に偏ることも問題です。バランスよく付き合っていくのが望ましいと思います。
次回は,EFFとPERランキングを見ていきたいと思います。
それでは。