バスケット指標の世界4 ―― 占有は悪か HHIとUSG% ――
aoiです。
今日は占有度に関連する指標であるHHIとUSG%について。
ちなみにHHIとはハーフィンダール・ハーシュマン・インデックス(Herfindahl-Hirschman Index, HHI)という経済指標。
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HHIとはなにか
HHIは本来的にはバスケットボールの指標ではなく,市場の寡占度を測る経済指標である。定義は以下の通り。
これをバスケットボールに援用した変態天才がいたようだ。
HHIはバスケットボールにおいて2通りの利用のされ方をしている。
- 得点を市場の寡占度に見立てる方法。
- プレイタイムを市場の寡占度に見立てる方法。
今回は2の利用方法でHHIを計算してみる。
具体的に計算してみる。例えば,あるチームのプレイヤーA,B,C,D,Eの5人が交代せずに40分間フルに出場した場合,プレイヤーnのプレイタイムを,トータルのプレイタイムをとすると,
となる。HHIを計算すると,
となる。本来HHIは0から1までの値をとるが,バスケットの場合最低でも5人出場するため,最大値がとなる。最後に掛かっている5は何だ!!と思われるかもしれませんが,これは分かりやすくするため,0から1までの範囲に直している。*1
次に,10人の選手がそれぞれ20分ずつ出場した場合を考えてみると,HHIは
となる。つまり,HHIが0に近づくほど,多くのプレイヤーがプレイタイムをシェアしており,1に近づくほど,少数のプレイヤーがプレイタイムを独占していることになる。
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USG%とはなにか
次はUSG%。これはUsage%の略で,あえて日本語に訳すと「使用」(useの名詞形)。正直,訳しても全く意味が分からない。定義をみてみると,
また宮地さんの記事を引用すると,
ちなみに、NBA公式サイトに書かれているユーセージ%の計算式は以下の通りだ。
USG% = (FGA + (0.44 × FTA) + TO) / POSS
FGA=選手のフィールドゴール試打数
TO=選手のターンオーバー
POSS=(選手が出場中の)チーム攻撃回数*2
前半部分の(FGA + (0.44 × FTA) + TO) は攻撃回数を計算するときに使われる数式だ。つまり、チーム全体の攻撃回数のうち、その選手が直接関わった攻撃はどれぐらいの割合か、ということを出しているわけだ。(太字はaoi)
宮地さんの説明が非常に分かりやすい(反省)。USG%は攻撃回数のシェアを表している指標である。
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まとめ
まとめると以下の通り,
HHIはチーム全体で出場時間をどれだけ共有しているかを表す。
⇒チームの指標&時間の占有度
USG%は個人の選手がチーム全体の攻撃回数のうちどの程度直接関わっているかを表す。
⇒個人の指標&攻撃回数の占有度
次は,Bリーグのチーム&選手についてHHIとUSG%を見ていきたいと思います。
それでは。